うそつき唾棄すべき


「坊ちゃん」夏目漱石
 小説の出だしからテンポがいい。「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」から始まる「坊ちゃん」。何十年ぶりかで読んだ。
 先日、上野の鈴本に入る前に隣の本屋TSUTAYAに寄ったら文庫本「坊ちゃん」が置かれている。帯には「10代のうちに読んでおきたいこの一冊 角川文庫」とある。10代×6=60代。あまり違いはない。これは絶対に買いだと思い購入。しばらく積ん読だったが数日前に読了。
 考えてみれば中学生の頃に雑誌の付録についていたダイジェスト版で読んだのが最初だった。そして、高校生の時にオヤジが買っていた筑摩書房の「現代日本文學全集 夏目漱石」で全編を読んだ。そして、坂本九主演の映画「坊っちゃん」も高校の頃に観た。
 ミーハーのボクがこれに影響されないわけがない。教師になろうと思ったのもオヤジの影響もあるが「坊っちゃん」もこの道に引き込んでいる。だからと言って坊ちゃんのように潔くなれず長い間教師を続けてしまった。
 この小説の次のフレーズを引用しよう。

 粗筋は次の通り。うらなりのあだ名古賀先生はマドンナという美人の彼女を赤シャツに奪われる。あげくに松山から熊本に体よく転勤させられる。
 坊ちゃんは古賀先生の給料の余り分で給料をあげることを赤シャツに告げられた。最初は受け入れたが、赤シャツたちの理不尽さを知り給料をあげなくてもいいと申し出た。
 だが、赤シャツは理路整然?と給料を上げるのは何も問題ないと坊ちゃんをやりこめる。それに対して坊ちゃんは考える。
「おれの頭はあまりえらくないものだから、いつもなら、相手がこういう巧妙な弁舌をふるえば、おやそうかな、それじゃ、おれが間違ってたと恐れ入って引き下がるのだけれども、今夜はそうはゆかない。
 ここへきた最初から赤シャツはなんだか虫が好かなかった。途中で親切な女みたような男だと思い返したことはあるが、それが親切でもなんでもなさそうなので、反動の結果今じゃよっぽどいやになっている。
 だからさきがどれほど論理的に弁論をたくましくしようとも、堂々たる教頭流におれをやりこめようとも、そんなことはかまわない。議論のいい人が善人とはまらない。やりこめられるほうが悪人とはかぎらない。表向きは赤シャツのほうが重々もっともだが、表向きがいくらりっぱだって、腹の中までほれさせるわけにはいかない。
 金や威力や理屈で人間の心が買えるものなら、高利貸しでも巡査でも大学教授でもいちばん人に好かれなくてはならない。中学の教頭ぐらいの論法でおれの心がどう動くものか。人間は好ききらいで働くものだ。論法で働くものじゃない。」
 拍手喝采だ。「まったくその通りだ」寝っ転がって読んでいたボクはニコニコした。

 こんな人間模様が100年前に書かれたとは思えない。校長の狸、教頭の赤シャツ、おべっかつかいの野だいこ。今とまったくキャラクターは変わらない。嫌な人間像が・・・。正当なことを言っているようだが、嘘つきばかりの世界は同じなんだよなぁ。
 10年ほど前に購入した本M・スコット・ベック著『平気でうそをつく人たち』草思社を思い出す。内容はほとんど忘れたが「虚偽と邪悪の心理学 世の中には”邪悪な人間”がいる 自己正当化のための巧妙かつ隠微なうそをつく邪悪な人たちの心理とは?人間の悪に迫る」を再読せねば。
 
 ボクなんかは生まれてから一度もうそをついたことがないからなぁ。善人そのものだゼ。
アレッ?

     うそつきよキミの中には何ひそむ人をあざむく弱気なこころ?


今日のおわび
 本店の社長に言われブログのコメントを見えるようにした。するとかなり前のコメントに「おんたさん」という方から次のコメントが届いているのを発見。
「初めまして、おんた(秋田県出身、北海道在住)といいます。いつも、西仙北高校の鈴木監督など秋田県の高校野球の話題を楽しみに読ませてもらっています。
どうしても、北海道に住んでいるので、尊敬する鈴木監督の新聞などの情報が分かりません。Hi‐Rockさんのブログを参考にさせてもらってよろしいでしょうか? これからも鈴木監督を応援し,秋田県の野球が強くなることを祈っています。」
 おんたさん、もしこのブログを見て下さっているのでしたら申し訳ありませんでした。鈴木監督も元気に生徒諸君を育てています。ぜひとも応援してください。そして、こんな内容のブログで良かったら時々立ち寄ってください。

 本日のブログは遅くなりましたがこれにて終了。
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