正義と真実

西山に沈む夕陽

 帰宅、途中で出羽丘陵(ボクは西山と言います)に夕陽が沈むところであった。

向こうは雄物川にかかる橋だ。


高橋源一郎さんの文章から

 2014.9.25付の朝日新聞、論壇時評に個人的意見として作家の高橋源一郎さんが『「愛国」の「作法」について』を執筆している。
IMG_1553.png

 少し長い文章なのだが「そうだよなぁ」と納得させてくれる内容だった。ボクの思い込みで間違った読みをしているかもしれないが次のように書いている。

『朝日新聞の誤報や捏造の記事は擁護のしようもないし、その後の対応もどうかしている。そして、朝日新聞は批判を甘んじて受けるべきだ。と、朝日新聞を真っ二つに切る。
それを批判する他のマスコミはどうか。そのことについては少し長い文章だが引用させてもらいたい。

「その(批判の)中には、有益なものも、深く考えさせられるものもある。だが、ひどいものも多い。ひどすぎる。ほんとに。罵詈雑言(ばりぞうごん)の嵐。そして、「反日」や「売国」といったことばが頻出する。
 そんなことばが使われること自体は珍しくない。「前の戦争」のときにおれたちのこの国で、1950年代のアメリカで、旧ソ連時代のロシアで、そして、ナチス支配下のドイツで、「愛国」の名の下に、それに反すると認定された者は、「売国奴」(ときに、「共産主義者」や「人民の敵」ということばも使われた)と呼ばれ、容赦なく叩(たた)きのめされ、社会的に(あるいは身体的に)抹殺された。いまも世界中で、同じことは行われ続けている。いや、気がつけば、おれたちの国では、その「語法」が、「憎しみ」と軽侮に満ち、相手を一方的に叩きのめす「語法」が広がっている」

 そして、アメリカ人作家スーザン・ソンタグが9.11の同時多発テロに対して集団で報復するような団結すべきではないと勇気をもって発言したことを取り上げている。スーザン・ソンタグはこの発言で「売国奴」と呼ばれたり殺害予告までされたと言うのだ。
 スーザンにとって愛する祖国が憎悪にかられて、暴走するのを止めるために、「正気」に戻るよう促すためには、そう述べることしか方法がなかったのかもしれない。と、高橋さんは推測している。結局、アメリカはイラクに大量破壊兵器があるとの情報を捏造して戦争を開始することになった。しかし、結局はアメリカのイラク戦争は日本も巻き込んで泥沼になってしまった。それは今も続いているとボクは思う。
 高橋さんはスーザンのように勇気があることは言えないが、最高の愛国者はスーザンのような人ではないかと・・・。ボクも同感である。

 そして、高橋さんは次のように考える。
 正義と真実のどちらかを選ばざるを得なければ、(片方だけを選ぶのは本意ではないがと断り)真実を選ぶ。と。そして、最後のまとめがとてもボクに迫ってくる。ここも長いが引用させてもらう。

「(正義よりも真実を選ぶという高橋さんの言葉を)朝日新聞に贈りたい。「誤報」問題が起こったのは、自分たちの「正義」を絶対視してしまったからであるように思えるのだ。
 人は間違える(おれもしょっちゅう間違える)。組織や社会も間違える。国もまた間違える。それがすべての出発点であるように、おれは思う。
 それがどのような「正義」であれ、「おれは間違っていない」というやつは疑った方がいい。「愛国者」であると自称する連中は「国の正しさ」に敏感だ(だから、「正しくない」といわれると攻撃する)。
 だが、正しくなければ愛せないのだろうか。ソンタグにとって、祖国アメリカは、「正しさ」と「不正」の入り交じった存在だった。その、矛盾する、等身大のアメリカをこそ彼女は愛した。
 自称「愛国者」たちは、「愛国」がわかっていないのではない。「愛」が何なのかわかっていないのだ、とおれは思う。こんなこといってると、おれも、間違いなく「反日」と認定されちまうな。いやになっちゃうぜ」』

 そうなんだよなぁ。ちょっと違うかもしれないが、自分は絶対に間違ったことをしない。正しいことだけを追及する。もちろんウソもつかない。こんな人はある意味不気味に感じる。
 今、日本はそうなりつつあるような気がしてならない。まぁ、ボクはぐだぐたとした人生を送っているので周囲から胡散臭く見られてるんだろうなぁ。それはそれでいいのですけれど・・・。


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