「令和」って?

晴れ

 風の強い晴れの一日。午後から南外村コミュニティーセンターで自治会の総会があった。出かけました。
 途中で牡丹桜がみごとに咲いている。
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会議が終わり帰り道。
 西の空には太陽が沈むところであった。
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すごい分析だなぁ

 令和騒動もかなり沈静化したので少し書いておきます。
 先日、ネットを見ていたら東大の万葉集研究者の品田悦一さんが「令和」の意味について『「令和」から浮かび上がる大伴旅人のメッセージ』というテキストを発表していた。その内容がとてもわかりやすくて「なるほどなぁ」と思わせてくれる。
 アベシンゾーが「令和」をゴリ押ししたことはすでに明らかになっている。と、朝日新聞にも書かれていた。このテキストを読んだら、彼がなぜゴリ押ししたかもわかる気がする。

 そこで、品田さんが万葉集などについて詳しい解説を書いてる部分は割愛して簡単にまとめてみたい。

  大伴旅人が「令和」という詞書きにこめたメッセージとは?。
『当時の都をさんざん蹂躙して帰りたくもない場所に変えてしまった権力者に対して「後生の人々よどうか私の無念を万葉集の歌群から読みとってほしい。権力を笠に着た者どもの横暴はゆるせないどころか片時も忘れることができない」という内容である』と、品田さんは読み解いている。
 これが「令和」という言葉が現在の人々に発せられたものだと品田さんはいう。
 そして、アベシンゾーたち政府関係者には次の三点を認識すべきと指摘する。
 一つは新元号「令和」が「権力者の横暴を許さないし、忘れない」というメッセージを突きつけてくること。
 二つ目は「このことは万葉集がこの世に存在する限り決して収まらないこと。
 三つ目は、よりによってこんなテキストを新元号の典拠に選んでしまったあなたたちは迂闊であって人の上に立つ資格などないということ。
 三つ目の指摘を書いた文章に品田さんは「迂闊」にルビ「うかつ」をうつて(うかつが読めないと困るのでルビを振りました)とアベシンゾーに(かな?)あてこすりをしている。素晴らしい!
 さらにもう一点、総理が「令和」を発表した時の談話に対しても一言。
「(万葉集には)天皇や皇族・貴族だけでなく、防人や農民まで、幅広い階層の人々が詠んだ歌」が納められているとの一節がありました。この見方はなるほど30年前までは日本社会の通念でした。しかし今こんなことを本気で信じている人は、少なくとも専門家のあいだには一人もおりません。高校の国語教科書もこうした記述を避けている。かく言う私(品田)が二十数年かかって批判してきたからです。と鋭くダメだしをしている。
 さらに、安倍総理~むしろ側近の人々~は「万葉集」を語るにはあまりに不勉強だと思います。と。
 そして品田さんは東大教養学部主催の『高校生のための金曜特別講座』で語った内容を収めた『知のフィールドガイド 分断された時代を生きる 2017年8月 白水社刊』を、高校生なみの学力さえあればたぶん理解できるだろう。と、アベシンゾーに紹介している。
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 早速、ボクも『知のフィールドガイド 分断された時代を生きる 2017年8月 白水社刊』を取り寄せて品田さんの書いている『万葉集はこれまでどう読まれてきたか、これからどう読まれていくだろうか』12ページを読んでみた。
 品田さんに叱られるのを恐れずに内容を超簡単にまとめてみる。

 1、万葉集は江戸時代までは日本国民のほとんど誰も知らなかった。少なくても「日本人の心のふるさと」でもなければ「日本文化の源流」ではない。

 2、江戸時代までは日本という国はあっても国民はいない状態だったと言う。一般庶民は単なるその他大勢だったということ。明治維新後に政治家たちはそれじゃまずいということで万葉集を使って日本人を国民としての自覚を促すためのツールとして利用したという。

 3.なぜ、天皇や皇族・貴族だけでなく、防人や農民まで、幅広い階層の人々が詠んだ歌ではないのか。万葉集に庶民の歌があると主張する人たちは、その当時、地べたに藁を敷いて寝ているようなまったく読み書きのできない人たちが和歌を詠んだと言い張っているようなものと一蹴している。

 4.その後、万葉集は正岡子規や斉藤茂吉などのアララギ派が尊重するようになった。戦争賛美の一翼を担うようになった。究極は万葉集にある「海行かば水漬く屍・・・」の歌が国歌に準じるものになったという。そして、空前の万葉集ブームになる。

 余計な話ですが先日ボクが読んでいた梅原猛著の『水底の歌』にも斉藤茂吉の万葉集(柿本人麻呂に対する)考え方を強く批判する内容があったことを思い出した。

 5.敗戦・1945年の時に万葉集は黒塗りの対象になった。だが戦後、万葉集は息を吹き返してゆく。まるで戦犯が日本の表舞台に登場するように。万葉集のスター学者の中西進たちがブームを作り出して今にいたるという。

 ここで出てきた中西進がアベシンゾーに言われて「令和」を提唱した男である。と、ボクは気づいて「なるほどなぁ、首相の意向が強く働いたんだなぁ」と納得したのである。ひどいもんだ。

 6.万葉集の4割以上は男女の交情をテーマとする相聞歌だがそれらは一切黙殺された。さらに防人の歌は大多数が家族との辛い別れを詠ったものだがそれらも素通りされたという。戦争を賛美するような勇ましい歌はごく少数で例外的だが戦争遂行に利用するという恣意的な利用がされたのが万葉集だと指摘している。

 品田さんの文章を読んでみると「令和」は「ビューティフル&ハーモニー」ではないことが明らかだなぁと思う。ま、「オーダー&ハーモニー」かもしれない。つまり、いつでも命令されたら「ハイッ」と従えってことかもしれない。戦争を賛美したい気持ちを表現したのかもしれないとゾッとする。

 何だかグダグダと書いてきたが「令和」って何だか使いたくないなぁと思った次第。備忘録として書いておきます。

本日のブログはこれにて終了です。

  最近は涙もろさを隠せない最後の打球の行方を追って
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