人知の及ばぬところに人知を


鉛色の水

 山間部を走っていると小さな水路を何か所も通る。川もあれば小川もある。宮城ではこんな小さな川を「ほり」と呼ぶ。おそらく「壕」を言うのだろうと思っているのだが・・・。今朝は氷点下にならず水もぬるむ様子を感じた。

 その小さな壕には鉛色の水が流れている。鉛色と言えばおよそ暗くて重っ苦しいイメージだ。しかし、今朝の水面はそんな感じをうけなかった。よしよし大丈夫だよ。これから暖かくなってやるぞというゆったりした意志を感じた。


ニュージーランドの大地震

 ニュージーランドのクライストチャーチで起きたマグニチュード6強の地震の被害は大きい。テレビ画面に出てくる煉瓦の建物が崩れた瓦礫を見ると月並みな表現だが気の毒だなぁと心から思ってしまう。さらには日本人留学生の多くが行方不明となっている。帰りのラジオニュースで不明の方々の名前と年齢を報じていた。皆、若い。気の毒である。

 今朝(2011.2.24付)の朝日新聞天声人語に阪神大震災を経験した防衛大学長の五百旗頭真さんの(五百旗頭をイオキベと読む)言葉が載っている。

『大地の悪魔は突然、家を持ち上げ地面にたたきつけ、両手で家を引き裂こうとした」。そして思ったそうだ「本気で殺しに来ている!」』

 この言葉を読んでボクが体験した阪神大震災やクライストチャーチの地震には及ぶべくもないが日本海中部地震(本当なら男鹿能代沖地震と命名すべきだと今でも考えている)を思い出す。
 1983年5月26日。28年前のことだ。妙に暑い昼のこと。
 ボクは某農業高校の昼間定時制に勤務。午後の体育をグラウンドで実施しようと思いグラウンドを確認のために農場を通り雄物川の土手に上がった。その時に地震は起きた。
 一瞬、何が起きたのかわからなかった。地面が大きく揺れている。地震だと思った時に向こうに見える金谷橋の異様な風景に驚いた。ユラーリユラーリとスローモーションのように揺れているのだ。仙台駄菓子にねじり棒がある。そんな感じの橋を見ている気がした。幸い崩壊はしなかった。だが、もう少し揺れる時間が長かったら崩れ落ちたかもしれない。
 地震がおさまってから校舎に帰ったら午後の授業どころではなかった。バスも鉄道もすべての交通機関はストップ。生徒諸君の帰り道を確保することに精一杯。角館や田沢湖方面から来ている生徒たちをボクが送ってゆくことになった。
 大きな揺れだったのだが大曲仙北地区は震源地から数十キロは離れている。壊滅的な大きな被害はなかったようだ。
 その後、少しずつ聞こえてくるのが津波の被害。「本気で殺しに来ている」地震によって奪われた多くの犠牲者がでた。その当時、南外村のスキー場によく訪れてくれた隣町の男性が釣りをしていた男鹿で犠牲になったことを後で知った。

 先述の天声人語には昨年亡くなられた歌人の竹山広さんが阪神大震災を詠んだ一首を紹介し不明者の救出を願っている。

『「居合わせし居合わせざりしことつひに天運にして居合わせし人よ」
そのときそこに「居合わせた人」よー。鎮魂の調べは、自身の長崎での被爆体験が根にあるという。居合わせる運命に人知は及ばない。しかし今、悲運から命を救えるかどうかには人知は及ぶ。希望を捨てず、一人でも多い救出を諦めるべからず。ねばり強く、一秒でも早く、を現地に願う』

とても格調の高い歌であり文章だ。ボクも「居合わせぬ」者として心から救出を願いたい。

  大地震人知を超えて襲えども人知を尽くし生還祈る



わが職場のK君が先日購入しW君にプレゼントしたサングラス。今日、W君がかっこ良くかけているではありませんか。ちょいて借りて手に取ってみると重さと言いとても良い。
「かけてみてもいい?」
「いいすよ」
早速かけてみたら
「電撃ネットワークみたいです」
「ウーム」
電撃ネットワークがよくわからなかったのでネットで調べたら「南部虎弾」という命知らずの男がいた。ボクはそんなに凶暴ではありませんがなんだか似ている感じもします。フフフフ。本日のブログはこれにて終了。

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