文太さんの対談記事から

1950年代のアメリカに似る日本

 今朝(2014.12.19付)の日刊スポーツ紙に『文太 死の40日前最後の対談』と題する記事が掲載された。
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この記事では菅原文太さんが連載している小学館発行のPR誌『本の窓 1月号』に掲載される発酵学者の小泉武夫さんとの対談を紹介している。まもなく定期購読分が大曲の平山書店さんに届くだろう。脚が治ったら受け取りに行きたい。

 以前、菅原文太さんが亡くなられたことを知った12月1日のブログで『本の窓』について書いた。その時にはばたばたとしていて今年の8月号と9月号しか見つからなかった。その後、枕元に積み上がっている本や雑誌の中から11月号と12月号を発見して読み直していた。
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とても、読み応えのある内容だったので引用したい。

 11月号では秋田県の知る人ぞ知る知らない人は知らないかもしれない野添憲治さんとの対話である。
 野添さんには30年ほど前(もっと前かもしれないが・・・)に花岡事件について組合の教育研究集会で話していただいた。その後、野添さんを交えての交流会で一杯やりながらいろいろなお話を伺った。訥々とした秋田弁で戦争の悲劇について話してくれたことを思い出す。

 12月号では法政大学教授の山口二郎さんとの対談が掲載されている。この対談のタイトルは『「取り戻す日本」とはどんな日本?』であり、実に示唆に富んでいる内容だった。山口さんの話す内容はいろいろあるのだが次の2点を引用させてもらいたい。
『安倍晋三さんは「日本を取り戻す」と言っているけど、何を取り戻すかと言うことはさっぱりわかっていない。
安倍さんを見ていると1960年におじいさんの岸信介さんが、いわゆる安保闘争という大きな市民運動の圧力に負けて、志半ばで憲法改正を断念したことへのリベンジ、復讐をはかっているよにしか見えない。悔しさだけを祖うざくしている。「取り戻すべき日本って、いったい何ですか?」と聞いたら、答えがないわけですよ。「美しい」とか、やたら情緒的な言葉しか出てこない』
 その通りだよなぁ。と、ボクは感じ入った次第である。「この道しかない」もその延長線上にある。そして、山口さんは「マッカーシズムに似ているいまの日本」として次のように今の日本を指摘している。少し長いが引用したい。
『いまは世の中が雪崩をうつみたいに一色に塗るという状況です。そういう意味でいまの日本は1950年代のアメリカと似た雰囲気がある。
当時はソ連が台頭し、中国で革命が起こった時代ですから、アメリカでは共産主義に対する恐怖心が横溢していました。マッカーシーという共和党の政治家が、国務省や大学、メディアなどに「共産主義のシンパがいっぱいいる」と言って、赤狩りというキャンペーンを始めた。議会に非米活動調査委員会という、アメリカにあらざる活動を追及する委員会をつくり、共産主義シンパとみなされた人たちを次々と証人喚問して、社会的に抹殺するという運動が広がったわけです。
いまの日本も似た雰囲気があって「反日」「国賊」なんていう言葉があたりまえにのように使われるようになっています。政権に批判的なことを言う人たちを片っ端から根こそぎにするというキャンペーンが、マッカーシズムに似ている』

これに対して文太さんは「本来は多様性こそ必要だ」という言葉を発している。それについて山口さんは次のように言っている。
 アメリカではマッカーシズムに対して極端な方向に傾いたために真ん中に戻すための復元力が働いた。それにはメディアが重要な役割をはたしたという。それはエド・マローというキャスターが自分の番組でマッカーシーの発言を精査してここに嘘があるということを明らかにしてからマッカーシーの勢いが止まったというのだ。
 いまの日本にエド・マローのような人がいるのか?この数十年、政治家だけでなく学者やメディアなど指導的立場の人たちは議論もせずに「成り行きにまかせて」きた。
 そして、山口さんは次のように語って対談を終えている。
『いまの時代に一色に塗るというキャンペーンがこれほどまで起きるとは予想していなかったけれど、実際起こっているわけだから、やっぱりここに「違う色がある」と言い続けなければいけない。われわれ発言する人間、言論に携わる人間が「エド・マローになる」という気概を持つしかないと思います』

 と、ここまで書いていたらテレビニュースであきれるような話を報じている。
「小渕優子議員の後援会の家宅捜索でコンピュータのハードディスクにドリルで穴を開けていた。証拠隠滅の可能性があるかもしれない。小渕事務所では、家宅捜索の時期とコンピュータの入れ替えの時期がたまたま一致した。事務所では長い間コンピュータを交換する時にはドリルで穴をあける処分をしていた」
子どもが悪いことをした時の言い訳だろう。それよりもたちが悪い。これで「みそぎが済んだ」と自民党は囲い込むんだろうなぁ。ひどい話だ。マスコミやメディアの奮起を期待したいのだが・・・・。

 

今日も1日わかちゃんと一緒に過ごした。
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相変わらず「ハイ」と言わないのであるが、何かをやってもらいたい時には松葉杖を持ってきて「動け」と催促する。なかなかにメンコイヤツである。
と、言うわけで本日のブログはこれにて終了です。

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