「夕凪の街桜の国」「この世界の片隅に」


普通の生活の大切さ

 友人からメール。コミックを紹介をしてもらった。こうの史代さんの「夕凪の街桜の国」と「この世界の片隅に 上・中・下」すべて双葉社刊である。早速、注文。先日入手できたので一気読み。

 どちらも広島を舞台にしたコミックである。こうの史代さんは広島生まれ。編集者に広島について描いてみないかと請われたようだ。それが「ヒロシマ」だと気づき描こうかどうかとても悩んだと「あとがき」に書いている。。
 こうのさんは「夕凪の街桜の国」書くことを決心し2004年に発行した。そしてこのコミックはボクらが読むことができる。
 巻頭言の『広島のある日本のあるこの世界を愛するすべての人へ』から始まる物語だ。しみじみとつらい気持ちになる。


 そして、「この世界の片隅に 上・中・下」は戦中の広島で絵を描くことが好きな浦野すずが主人公。彼女は呉の北條家に嫁いでゆく。そこでの生活を淡々と描いてゆく。しかし戦争が周囲を色濃く染めてゆく。それでもすずは健気に日々を生きる。読んでいるうちに北條すずの大ファンになってしまった。

 ただひたむきに日常を生きる。普通に生活をする。これが庶民の日々なのだ。それが国家の戦争という暴力によって引き裂かれてゆく。そして、広島には原子爆弾が落とされる。そして、その3日後には長崎へと・・・。
 数え切れない人々の生活が一瞬にして奪われた。

 命とは何か。生きることとは何か。生活とは何か。国とは何か。平和とは何か。人を好きになるとは何か。

 広島には何度か行ったことがある。修学旅行の引率でも行った。組合の教育研究集会でも行った。個人的にも出かけた。そのたびに原爆資料館を見学してきた。昨年は秋田市で開催された原爆資料展も見た。悲惨な歴史である。しかし、若い人は一度見るべきだと思う。たとえ資料館の玄関で具合が悪くなって倒れたとしても・・・。

 4冊を一気に読んでから、しばらく目がさえて眠れなかった。普通に生きてゆくことの大切さをあらためて考えさせられたからだ。良いコミックと出逢えた。

 最近は世間が妙にきな臭い。愛国心、国歌、国家、専守防衛などなど。それに北朝鮮が妙な動きをする。こんな時だからこそこのコミックの意味はあると思う。

    ひたむきに生き抜くことの
      大切さしみじみ思い平和を感じ



本日のブログはこれにて終了です。さぁ、ビールでも飲もう。

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